時代に合わせて進化する表現活動
新型コロナウイルスの時代、私たちは「新しい生活様式」を求められ、職場でもリモートワークや会議のオンライン化が導入推進されています。
そうした中、ソーシャルディスタンスを確保しながら営業やアート活動を行うための映像ソリューションと、そのノウハウの紹介をテーマに、PERCHメンバーの映像制作会社・K-relationsさんがワークショップを開催してくれました。
1.ライブ配信機材「BackMagic ATEM Mini Pro ISO」の紹介
ATEM Miniは、複数のカメラ映像やPC画面を組み合わせ、YouTubeのライブ配信をはじめ、SkypeやZoomを使ったプレゼンテーションを実現できる機材。
2020年8月にリリースされた「ATEM Mini Pro ISO」はPCレスでのストリーミングや、5つの異なるビデオストリームをリアルタイムで収録できる高機能モデルです。
実際のライブ配信を想定した機材セットを用いて、基本的な使用方法やPCを組み合わせたオペレーションなどが解説されました。
参加者からは現場ならではの質問や意見も飛び出し、多面的な視点からのデモとなりました。
BackMagic ATEM Mini Pro ISO
2.テロップ入れを敏速に行うワークフローの紹介
動画配信の増加に伴い、閲覧者が早送りでも概要をつかみやすい動画の作成が求められています。
Youtubeでも自動の字幕入れができますが、精度はいま一歩なのが現状。
そのため、制作現場では収録された映像から人の耳で文字を起こし、編集ツールを用いてテロップを入れていますが、1時間の動画にテロップを入れるために10時間以上かかることもあり、省力化が求められています。
K-relationsさんでは、業務効率化のため、AIによる文字起こしと手作業による修正を組み合わせたワークフローの構築を行っており、従来と比べて半分以下の時間でテロップを入れることが可能になり、ここでは、その成果と課題についての紹介が行われました。
3.最新VRデバイス「Oculus Quest2」の体験会
ライブ配信と合わせて注目されているVRコンテンツ。
2019年5月にFacebookの一部門であるOculus VRからリリースされたOculus Quest1は、PCやベースステーションを必要としないスタンドアローン型で、低価格であったこともあり多くのユーザーを獲得しました。
その後継機であるOculus Quest2が10月末にリリース。旧機種と比べて画質が向上した上に価格も下がり、さらなる普及が予想されます。
以前PERCH公式Facebookページでも紹介した、11K解像度で360度動画が撮影できるカメラ「Insta360 TITAN」で作成したオリジナルコンテンツを、Oculus Quest1とOculus Quest2で再生するデモを行いました。
「新しい生活様式」の一環であるステイホーム等の影響により美術館や博物館、各種イベントへ足を伸ばしにくい中、VR動画を活用した展示の手法や表現について参加者と一緒にディスカッション。充実した意見交換ができました。
左:Insta360 TITAN / 右:Oculus Quest2
向かって左手が旧型Oculus Quest
2020年は、新型コロナウイルスの影響による自粛などで、営業活動のみならず表現活動にも多くの制約が生まれた年でもあります。
利用者だけでなく提供者の安全も確保しながら、新たな形で表現活動を行うための技術の普及と、表現の可能性を模索するワークショップとなりました。